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悪質な冗談はやめてください。

2017年7月18日(火)
振付・出演:亀頭可奈恵
出演:阿部真理亜・岡安夏音子・佐々木萌衣・田端春花・吉田圭
日暮里d倉庫

この作品は白鳥の湖がテーマで作られています。
私は、何かのテーマが決められていて、そこから作っていくというのが得意ではありません。
自分以外の何かが材料にある時は、その材料についてしっかりとした理解と解釈、そして、それに対する社会的反応などを調べて、勉強しておく必要があります。
いつも、私はそこが疎かになっている気がして、引け目を感じてしまいます。
そんな中で、「悪質な冗談はやめてください。」は、その引け目に初めて挑戦した作品であると思っています。
初めに、白鳥の物語に出てくる人物について考えました。どの人物も、みんな夢みがちで、〈幸福〉と〈愛〉に取り憑かれていました。
昔、誰かがいっていたのですが、シェークスピアの〈ロミオとジュリエット〉は、未熟な男女の物語であり、けして、多くを経験、そして判断してきたと成熟したものの考えではない。
私は、その通りだな、と思えて仕方がありません。そして、私は、それをいわれて思うのは未熟であることが、美しいことなのだと思いました。未熟=美しい。美しい=未熟。これについては、また違うどこかでお話ができたらいいな。
そして、このことは、この白鳥にも同じことが言えるのではないでしょうか。そう考えた時、当時の私たちは22歳です。白鳥の王子は21歳です。さほど変わりません。
未熟なものが、未熟なもののことをどう思っていて、どのように考えているのか…。
そこに、着目して作った作品でした。