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傷としお。

2016年1月18日(月)、2016年8月3日(水)
振付・出演:亀頭可奈恵
出演:阿部真理亜・岡安夏音子・佐々木萌衣・田端春花・吉田圭

日暮里d倉庫
オーディエンス賞受賞

何かの映画で「親は子供を選べるけど、子供は親を選べない」といっていました。
それを聞いて、
「あれ?てか、もしかして私って存在…。取り返ししつかない…?」
ということに気がついて、自分が生まれてくることだけは、自分自身で選択できない出来事なんだなと、深く納得しました。
私自身、”保険が効かない”とか、”やるしかねえ”とか、”ひとつしかない選択”とか、背水の陣でいることを苦痛と感じたことがなく、むしろ心地の良いものでしたから、この、自分自身やその他全ての命に”取り返しがつかない”という責任が乗っていると考えるのは、興奮に似たようなロマンスを感じます。
”自分の存在が取り返しがつかない”
もうこれは、一種の呪いです。生まれた瞬間から、もう、呪われているとしか考えられません。
そして、このまま私は、取り返しのつかないまま、どんどん元には戻れないところまで行ってしまうのでしょう。

「ああ、なんということだ…膿んできてしまった。いや違う、これはもともと膿んでいたのだ!
…っ!ん!マ、マハリクマハリタ…ヤンバラヤン!」